ドローンで起こり得るトラブルとは?~安全に運用するために~

今すでにドローンの運用を始めている方や、今後ドローンの操縦をしていくという方に向けて、
ドローンの危険性やドローンを安全に運用するために必要なことなどについてお話ししたいと思います。

ドローンの危険性・起こり得るトラブル

定位置に停止中のドローン

ドローンを操縦する際、常に以下のようなことが起きる可能性があると考えられます。

  • ・機体の不具合
  • ・人為的な操作ミス
  • ・電波や天候などの外部からの影響

それぞれ簡単に説明していきます。

機体の不具合

飛行中のドローン

機体に不具合が起きたり故障が起きると、ドローンの場合離着・発着ができなくなったり、飛行不可能になって墜落したりと、大きなダメージを被ります。

不具合が起こりやすい箇所としては、飛行する際に大きな負荷がかかるモーターや、バッテリーなどがあります。
モーターについては、もし上空を飛行中に故障してしまえば、墜落する危険性のあるパーツでもあるので、飛行前の状態確認は必須です。

バッテリーに関しては、墜落の原因として残量切れのケースが非常に多いので注意が必要です。
ドローンにはPCやスマホと同じリチウムイオンバッテリーが使用されており、
徐々に動きが鈍くなって止まるというよりは、急に電力供給が止まるような残量切れを引き起こします。
飛行時はバッテリーの残量にも気を付けて飛行するようにしてください。
使っていくうちに劣化が進んでいくため、事前に耐用充電回数を調べておき、回数を超えたら早めに交換するなどの対策が必要です。

上記で挙げたパーツ以外にも故障する可能性のあるパーツは他にもありますので、安全に飛行するためにも故障の前兆についての知識を持っておくことが大切です。

人為的な操作ミス

ドローンを操縦する人

ドローンの事故原因として最も多いのが、操縦者のスキル不足によるものです。
操縦中に他のことに気をとられて操縦への注意が散漫になり障害物へ接触したという事例が多数あります。

また、事前に飛行場所の確認ができておらず電線などの障害物に接触してしまうといったことも多々あります。

ドローンを操縦する際は、ドローンスクールに通ったり、練習を積むなどして、
安定した飛行ができるスキルとメンタルを身に着けてから操縦を行うようにしましょう。

電波や天候などによる外部からの影響

電波障害による影響

機体の不具合や、人為的な操作ミスによる事故・トラブルは、ドローンに限らず自動車などの他の乗り物でも起こり得ることですが、ドローンではそれらに加えて電波の影響により飛行が妨げられる場合があります。

ドローンはコントローラーから電波を飛ばして通信を行い機体を制御します。
そのため、電波が遮断されてしまう山の近くなどで操縦をしてしまうと、通信不能となり制御が効かなくなります。
また、電波は2つ以上の波が重なると干渉を起こすという性質があるため、
強い電波を発する電波塔の近くで操縦してしまうと電波が混信して制御不能となります。

ドローンを操縦する際は、飛行場所に問題がないか事前確認を怠らないことが大切です。

天候による影響

強風が吹いている中でドローンを操縦してしまうと、機体が風にあおられ飛行姿勢が保てなくなり人や障害物に接触してしまうことがあります。
他にも、向かい風が吹く中で操縦したことでバッテリーの消費が想定よりも早かったために墜落してしまったという事例などもあります。
突発的な強風は予測が難しいですが、事前にその日の風速や立地状況による風の具合を確認してから飛行するようにしましょう。

過去発生した事故・重大インシデント

では実際に、ドローンに関してどういったトラブルが起きたことがあるのでしょうか。

事故・重大インシデントの発生件数

国土交通省によると、2022年(令和4年)12月に航空法が改正されてから、2023年(令和5年)11月までに、以下件数の事故もしくは重大インシデントの報告があったようです。

令和5年8月8日時点での情報

年度 令和4年 令和5年
事故 2 59
重大インシデント 14 14
非該当事案 58 317
合計 75 390

※令和4年度の値は、同年12月5日の航空法改正以降に報告のあったもの
※出典:国土交通省ウェブサイト 事故・重大インシデントについて(https://www.mlit.go.jp/common/001623401.pdf

【事故に値するもの】
・無人航空機による人の死傷(重症以上の場合)
・第三者の所有する物件の損壊
・航空機との衝突または接触

【重大インシデントに値するもの】
・無人航空機による人の負傷(軽傷の場合)
・無人航空機の制御が不能となった事態
・無人航空機が飛行中に発火した事態
・航空機との衝突または接触のおそれがあったと認めた時


ドローンの事故例

※下記事故例は、国土交通省のウェブサイト 無人航空機に係る事故等報告一覧(令和4年12月5日以降に報告のあったもの)(https://www.mlit.go.jp/common/001585162.pdf)からの転載です。

例①

▼事案の概要
空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、高度20m程度で突然機体が1分程度停止。
マニュアルで操縦を試みたが制御不能となり、その後機体は意図せず徐々に高度を下げながら飛行。
最終的に第三者の所有する家屋の網戸に接触した。
当該家屋の網戸の一部にはプロペラの接触による損壊が生じた。

▼事故要因と対策
機体メーカーによると、飛行させた場所に大きな鉄塔があり、その電波干渉を受けた可能性が高いとのことだった。
再発防止策としては、ユーザーマニュアルに規定されている通り、
鉄塔が近くにある電波干渉の影響を受けやすいエリアでの飛行は避ける。

例②

▼事案の概要
農薬散布のため無人航空機を離陸場所から飛行させていたところ、
停止すべき地点で補助者が操縦者に対して合図を送ったが、操縦者は機体を進行し過ぎてしまった。
結果、回転していたローターが家屋の屋根に接触し、当該家屋の屋根の一部には接触による損壊が生じた。

▼事故要因と対策

  1. 農薬散布の飛行方法について、基本的に障害物に向かう飛行はせず、散布圃場に障害物がある場合は必ず障害物に対して平行に散布飛行することとする。やむを得ず障害物に向かって散布飛行する場合、操縦者も補助者も障害物の所まで行くことができなければ、生産者に了承の上、奥まで散布飛行はしないようにする。
  2. 操縦者と補助者間の確認不足が原因だったことから、散布圃場に到着したらその都度、障害物の有無及び障害物までの距離を相互確認する。また、7月末の防除時期の前に、操縦者全員を集め、本事案の共有と共に安全な散布飛行の徹底を呼びかける。

例③

▼事案の概要
農薬散布のため無人航空機を飛行させていたところ、機体が意図せず降下・不時着。
不時着した機体へ操縦者が接近したところ、回転中であったプロペラが操縦者の右肘に接触した。
操縦者は右肘にパッドを装着していたため、プロペラは直接皮膚に接触していないが、打撲を負った。

▼事故要因と対策

  1. 経年劣化したバッテリーの使用が原因であると認識し、これまで冬期は‐10℃ほどの納屋で保管してきたため、今後は極度な低温環境での保管を避ける。
  2. 打撲については、プロペラが回転している機体に接近したことが要因であったため、今後は回転中のプロペラには接近しない。プロペラが回転している機体を停止させる必要がある際は毛布を被せる等、直接機体には触れずに停止させるようにする。

最後に

ドローンを安全に運用していくために

故障や外部要因によって起きる事故もしくは重大インシデントは予期せず発生することが多いかと思いますが、
できる限り事前に確認したり対処することで防ぐことのできるものもあります。
正しい知識を身に着け、過去の事故例に目を通すなどをして、トラブルが起きても冷静に対処できるようにしましょう。
人為的な操作ミスによるものに関しては、操縦スキルを磨き、安定的な操縦を心がけることでトラブル減少につながるでしょう。

自分は大丈夫だろうと過信せず、安全に飛行ができるよう心掛けてください。

こちらの記事を読んでくださった方々が少しでも、より安全なドローン運用をするようになっていただければ幸いです。

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