無人航空機・ドローンの機体の種類とその特徴

日本海事協会が行っている無人航空機操縦士試験(ドローン免許の試験)では、実地試験という無人航空機の操縦スキルを見る試験があります。
実地試験は機体の種類によって試験が分かれており、「回転翼航空機(マルチローター)」「回転翼航空機(ヘリコプター)」「飛行機」に分けて試験を行っています。(機体の性能・飛行の特性などを踏まえ、試験で合格した範囲のみでの特定飛行が認められています。)
そこで今回は3種類の無人航空機がどのような特徴を持っているのかについてお話ししたいと思います。

無人航空機の種類

無人航空機の機体は大きく分けて下記の3種類に分類されます。

  • ・回転翼航空機(マルチローター)
  • ・回転翼航空機(ヘリコプター)
  • ・飛行機

回転翼航空機と飛行機では大きく特徴が異なりますので、まずは回転翼航空機からその特徴について説明します。

回転翼航空機の特徴

回転翼航空機は「マルチローター」と「ヘリコプター」タイプがあり、どちらも垂直に行う離着陸や、空中でのホバリングが可能です。
エネルギーを多く消費するため、「飛行機」よりもバッテリーの減りが早く、さらに風の影響を受けやすいという特徴もあります。

マルチローター(ドローン)の特徴

ドローン 回転翼航空機 マルチローター
マルチローター(ドローン)

無人航空機は機体を飛行させるために回転翼(ローター)を備えていますが、マルチローターとはこのローターを複数機体に備えた航空機のことを言い、マルチコプターとも言います。
「ドローン」と聞いて最も多くの人が思い浮かべる形がマルチローターかと思います。一般的にドローンと言えばマルチローターのことを指すと考えてよいでしょう。
機体の周りに設置されたローターを高速回転させることで、機体を上昇・下降・前後左右移動・ホバリング(空中で停止すること)・水平回転させることができます。

ローターの数によってさらに種類がわかれています。

  • ・ローターが3つの場合:トライコプター
  • ・ローターが4つの場合:クアッドコプター
  • ・ローターが6つの場合:ヘキサコプター
  • ・ローターが8つの場合:オクトコプター

ローターの数が増えるに従い機体は大きくなり、飛行も安定し、故障しづらくなりますが、機体が大きいぶん持ち運ぶのに不便だったり、構造が複雑です。

▶参考「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第3版)」(出典:国土交通省ウェブサイト)

当校ロイヤルドローンスクールでも講義に使用している機体はマルチローター(ローターが4つのためクアッドコプター)です。

回転翼航空機(ヘリコプター)の特徴

回転翼航空機 ヘリコプター 無人航空機

続いて回転翼航空機(ヘリコプター)についてです。
マルチローターがローターを複数備えているのに対し、ヘリコプターは1組のローターを回転させ飛行する航空機です。シングルローターとも言います。
機体を上昇させるためのパワーを1組のローターで発生させる必要があるため、マルチローターと比較してローターの直径が大きく、効率よくパワーを得ることができます。
回転翼航空機の一種のため、垂直離着陸、ホバリング、低速飛行が可能です。

農薬散布用として利用されることが多いため、「農薬散布用ヘリコプター」と言われることが多いです。

飛行機の特徴

次に飛行機に関してです。回転翼航空機(マルチローター・ヘリコプター)とは異なり、飛行機は垂直離着陸やホバリングといった回転翼航空機ではできる動作をすることができません。
しかし飛行速度は速く、少ないエネルギーで飛行することができるため長時間・長距離の運転が可能といった特徴があります。ただし、飛行速度は速いものの、安全に飛行できる最低速度というものが決まっており最低速度を下回るスピードでの飛行ができません。

では次に、上記で述べた種類の機体それぞれの、最大離陸重量25kg以上の機体についても簡単にお話したいと思います。

最大離陸重量25kg以上の特徴

最大離陸重量とは、各機体に定められている「機体自体の重量+ものを載せることのできる重量」のことを言います。
最大離陸重量が25kg以上の大型機は25kg未満の小型機と特徴も異なり、気を付けるべき点が増えてきます。

回転翼航空機(マルチローター)

最大離陸重量25kg以上のマルチローターには以下のような特徴があげられます。

  • ○上昇・下降・加速減などに要する時間と距離が長い
  • ○離着陸やホバリング時に必要となるスペースの範囲が広いため、高度な操縦スキルが必要
  • ○飛行時に機体から発せられる音が大きい

機体が大きい分、慣性力といった力など小型機にはなかった力が働くこともあるため、それらを見越して安全に操縦できる技術が必要となってきます。

回転翼航空機(ヘリコプター)

最大離陸重量が25kg以上の回転翼航空機(ヘリコプター)は25kg未満の機体よりも、操縦した際に機体の挙動反応が遅い傾向があるため、早めの操縦が必要となります。
さらに、マルチローター同様に小型機体よりもエンジンの騒音やローターが回るときの音なども大きいといった特徴があります。

飛行機

最大離陸重量が25kg以上の飛行機は、25kg未満の機体と比較して

  • ○翼の面積が大きいため、ものを積む重量が大きい
  • ○長距離・長時間飛行が可能になる
  • ○風の影響を受けにくい

といったメリットがあります。
ただし、機体が大きい分、事故が発生したときの影響も大きく、運航者には高い安全意識とスキルが求められます。

最後に

以上がドローンを含め各無人航空機の機体の特徴でした。
国土交通省の出す「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第3版)」(出典:国土交通省ウェブサイト)を参考にしていますので、ご興味のある方はご確認ください。

ロイヤルドローンスクール

ロイヤルドローンスクール広島は、広島県広島市にあるドローンの登録講習機関です。
資格の種類(国家資格・民間資格)や国家資格の区分に合わせて、操縦技能の基礎技能・運航管理体制構築スキルの習得や、業務で活かせる実用的な操縦及び運用テクニックなどの習得ができます。
学科試験合格のための各種対策・フォローなども行っております。

広島県でドローン免許の取得をお考えの方はぜひロイヤルドローンスクールにお越しください。

講習についての確認はこちら

インスタグラムも随時更新

ロイヤルドローンスクール インスタアカウント

最新の講習日程や、実際の講習風景、ドローンに関する様々な情報を公式アカウントからお届けしております。

ドローンの関連記事はこちら

ドローンについて

ドローン購入後にすること 機体登録と機体認証
ドローン購入後にすること
~機体登録と機体認証制度について~
ドローンの歴史と今後の展望
ドローンの歴史と今後の展望
ドローンで起こり得るトラブル
ドローンで起こり得るトラブルとは?
ドローンを飛ばせる場所
飛行禁止場所についても解説!
ドローン保険について
ドローン保険とは?もしものために備えましょう
ドローンに関する主な法律と規制内容
ドローンに関する主な法律と規制内容

ドローン免許について

ドローン免許(国家資格)の取り方

ドローン免許(国家資格)の試験ってどんな内容?

ドローンの資格を取得するのはどんな人?

ドローン免許(国家資格)を取得するメリット

ドローン免許(国家資格)の取得費用はいくらかかる?

当校社員がドローン免許を取得するまで~二等国家資格に挑戦~

ドローン活用について

ドローンの機体選びのポイント ~用途に応じた選び方~

災害現場におけるドローンの活用

エンタメでのドローン活用

農業とドローン

ドローンレースとは?その種類や参加手順について解説!

ドローンパイロットとは?活躍している業種や仕事内容